生活に欠かせない製品はクリーンルームで作られていた

「クリーンルーム」という言葉を聞いたことがありますか?
読んで字のごとくクリーンな部屋、空気の汚れがとても少ない場所のことです。あまり馴染のない言葉ですが、普段使っている製品や食べている食品の多くがここで作られています。そんなクリーンルームと、その状態を測定するためのパーティカルカウンターについてお話したいと思います。

 

 

毎日飲んでいる牛乳や、手放せないスマートフォンもクリーンルームで作られていた

日常生活ではクリーンルームに入ることはまずありませんよね。工場見学で覗くくらいでしょうか。
しかし、このクリーンルームで作られた製品・食品は日々手にしています。
多くの電化製品の中に使われている半導体、スマホやPCの中にも多く使われています。こちらはハイレベルのクリーンルームで作られています。
スーパーで売られている食品、例えば牛乳やハムなど食品工場で加工される場合にも多く使われます。
また風邪でお世話になる薬品の製造・保管にも使われています。他にもカメラや計算機など、現代の生活に欠かせないものの多くがクリーンルームで作られているのです。

 

そんなふうにいつもお世話になっている、クリーンルームとはどのようなものなのでしょうか?
クリーンルームの中は空気がきれい、つまり空気中の塵がとても少なくなっています。私たちの部屋にある空気中の塵は、様々なものから常に発生しています。外からは砂埃や花粉が入ってきますし、服や紙の繊維からも発生します。その塵を極力排除したのがクリーンルームです。

 

どのくらいのきれいさのクリーンルームかにもよりますが、一般的なクリーンルームつくり方は以下のようなものです。塵が外から入ってくるのをフィルターで防止し、塵が発生しやすいものの持ち込みをしないようにします。人間は服などから塵が落ちないように、専用の防塵服で作業します。空気の流れを良くして、どうしても発生してしまった塵も外に出すように工夫されています。

 

 

クリーンルームのきれいさを「クラス」でランク付け

クリーンルームには、どのくらいきれいなのかを示す「クラス」というものがあります。
基準になるのはチリの数で、1辺が1フィート(30.48cm)の立方体=28.3Lの空気中に0.5μm以上の大きさの塵(粒子)が、いくつ含まれているかでクラス分けされています。
0.5μm以上塵の数が1個であればクラス1、100個であればクラス100となります。このクラスは米国連邦規格(FED規格)で規定されており、現在でも多く使われているきれいさの基準です。
実はこのきれいさの規格はいくつかあり、日本ではJIS規格も使われています。また国際規格としてISOにも規定され、最近ではISO規格で表記することも増えてきました。
ISOでは1平方メートルの立方体の空気中に0.1μm以上の大きさの塵(粒子)がいくつ含まれているかで判定します。10個であればクラス1、100個でクラス2、クラス3(粒子の数=1,000個)がFED規格のクラス100に相当します。
半導体の製造にはハイレベルのクリーンルームが使われると書きましたが、このレベルではクラス100が適当とされています。
薬品や食品工場では、製品や工程によりクラス100〜100,000を必要とします。きれいな環境ではメリットも大きいですが、空調設備や防塵服など設置および管理には手間もお金もかかります。

 

 

 

クリーンルーム内のきれいさを計るパーティクルカウンター

塵の数でクラスが規定されると書きましたが、そうなると塵の数を数えないとなりませんね。
実際に塵を数えるために、パーティクルカウンターという測定器があります。形はちょうどデスクトップPCくらい、箱型の据え置きタイプや、持ち運びしやすい小型で船型のハンディタイプがあります。
主にクリーンルームの中で使う測定器で、室内の空気をポンプで取り込み半導体レーザーで粒子の数をカウントします。パーティクルカウンターに流し込んだ空気の量に対する、粒子の数を計ることでクリーンルーム内がきれいに保たれているかどうかを確認できます。
使い方は比較的簡単で、取り込む空気の量などを設定したら測定を開始、測定結果=粒子の数がディスプレイに表示されます。クリーンルーム内に塵が増えると、不良品が増えたり食品や薬品では安全に関わってきます。
また、ISOを取得している工場では毎日測定することが規定されています。

 

パーティクルカウンターが必要になったとき、毎日使用するのであれば購入かリースなどによって入手することでしょう。しかし、いきなり購入するのではなく、数種類の機器を試してみたいというときには測定器レンタルサービスも重宝するものです。

 

 

普段耳にすること少ないクリーンルーム、ちょっと身近に感じていただけたでしょうか?
安全な食品を頂くため、デジタル時代の豊かな生活を送るために欠かせない存在となっています。そんなクリーンルームを管理維持するためには、様々な知識や技術、作業者や管理者の日々の努力が必要なのです。