振動を数値化したいのはどんなとき?振動計が必要な場面とは

私たちは日常生活の中で様々な振動に出会っています。マッサージチェアの心地よい振動、車や電車などの乗り物からの振動、工事や工場の機械から発生する不快な振動もあります。
こういった振動を測定するのが振動計という測定器です。でもこの振動計、いったいどんな目的で使われるのでしょうか?振動の数値化が必要になる場面をご紹介します。

 

 

振動が起きそうな作業をするとき

建設作業をするときや工場で作業を行う場合には、近隣住民に対する振動の影響に配慮が必要です。平成27年度には3,011件の振動に係る苦情が出されています。建設作業が大きな割合を占めていて、中でも解体作業に対する苦情が多くなっています。
振動被害を出さないためにも、振動を客観的に数値として測定する必要がありますね。
そこで使われるのが振動計です。
振動レベルが50dBを超えるあたりから苦情は増える傾向にあり、特定建設作業に関する規制基準は75dBととなっています。また特定工場における規制基準は日中で60〜65dB、夜間で55〜65dB(東京都の場合)となっています。

 

 

振動に悩まされたら、振動レベルをチェック

振動計は振動被害を出さないためにも使われますが、振動に悩まされた場合にも、客観的な数値として、振動レベルを測定しておくことも大切です。振動被害の多数を占める建設工事は一定期間で終わるものが殆どですが、幹線道路の工事や大型商業施設の建設など、大規模な工事ですと長期にわたることもあります。振動被害は心理的にも不快感がありますし、窓ガラスが音を立てるなど建物への影響もあります。建物の構造によるところも大きく、すごく揺れる家がある一方であまり揺れない家もあり、発生源からの距離にかかわらず振動被害は発生しています。

 

 

ガタガタと機器が振動したら、異常があるかも

モーター、ポンプ、ベアリングなどの振動を測定器で計ることにより、異常があるかどうかを判断できます。エレベーターの異常などもいち早く検出することができます。
機械の中に異常な力がかかったり、ゆるみなどがあると振動がおきますので、それがどのくらいの周期で繰り返されているのか、どの方向に振動しているのかを調べると、どのような異常が起きているのかも判断できるのです。
例えば、回転機の中でボルトが緩んでいたり部品ががすり減っていたりすると振動がおきます。部品の滑りを良くする油が切れてきたり、汚れてきた場合にも異音や振動といった症状が出ます。

 

 

求められる低振動へのニーズ

振動や騒音は製品の重要なファクターです。自動車の場合、以前は走ること壊れないことが求められていましたが、近年では快適性向上のニーズが高まっています。
静かで振動の少ない車が求められている一方で、低燃費を実現するために軽量化が進んでいます。軽量化は振動や騒音に対して悪影響を与えます。いま、振動に対する対策が強く求められているのです。
振動への対策が求められているのは、自動車本体だけではありません。タイヤ、シート、フロントガラス、内部の部品なども対象となります。
他にも家庭用の製品ですと洗濯機や冷蔵庫も静かで振動が低いものへのニーズが高いです。元々振動の大きいドリルや草刈り機、ブレーカーなど直接手に振動が伝わる工具や、プレス機や旋盤などの工作機器も振動の軽減が求められています。こういった製品の性能試験にも振動計は使われています。

 

 

港に着くまで避けられない、船上の環境を計測

船は移動手段であると共に、長期間の乗船であればここに居住することにもなります。そして船上での振動は乗っている間全身に受けることになります。自動車などの他の乗り物と違って、港に着くまで船を下りることはできませんから、この振動には逃げ場がありません。ですから、ある程度の快適性を保たなければなりません。
日本海事協会で発行した船内騒音及び振動に関するガイドラインでは、居室や食堂などの居住区域、船橋などの制御区域および機関制御室などの作業区域、またディーゼル機関 、タービン、ポンプなどの対象機器に対してもでそれぞれ振動レベルが定められています。

 

 

振動する工具を使うなら、手や腕へ伝わる振動を測定

長い間、振動する工具を使っていると健康障害を引き起こす可能性があります。症状としては、手がしびれる、冷える、手や指の関節が痛むなどです。寒さなどの刺激で発作的に手が白くなる、レイノー現象という症状が出ることもあります。手の感覚が鈍くなったり、手指の細かい動きがしづらくなることもあります。
原因となる工具には、エアハンマー、電動ハンマーなどの打撃工具、チェーンソーや草刈り機などの切断工具、タイタンバーやバイブレーターなどの振動体内蔵工具、グラインダー、カッターなどの回転工具などです。
このような振動障害の防止策として、振動の少ない工具を使用することがあげられます。その振動を測定するために振動計が用いられます。
また軟質の厚い防振手袋など防具の使用も振動の影響を軽減します。
ISOでは「手に伝達する振動暴露の測定と評価のガイドライン」というISO 5349を制定しています。

 

 

振動計の用途をいくつかご紹介しましたがいかがだったでしょうか。なるほどと思うような便利な使い道や、安全を守るための大切な測定もありますね。騒音計などに比べると使い方はやや複雑ですが、レンタルサービスなどを経由して入手すれば手軽に使えるものもあります。研究や評価に利用してみてはいかがでしょう。

 

株式会社メジャー